AZZURRO
不思議な娘だ…

カヴァリは改めて雪乃の存在を
意識するようになった



「失礼いたします。
ユキノ様、そろそろお時間にございますので
ご準備をお願いいたします。」


王宮付きの侍女が控えめに声をかける


雪乃は確認するように
クリスを見上げた

「ああ、行っておいで。」

「はい。」


「大丈夫だ。
きっと皆がそなたの舞に酔いしれるだろう。」


そっと背中を押された
大きな手の温もりに

雪乃は大きな勇気をもらって

力強くうなづくと

侍女に続いて会場を後にした
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