AZZURRO

消えた寵妃

歓喜冷めやらぬまま
雪乃は着替えるために控室に戻ってきた


しかし
そこにケシャの姿はない


「ケシャ?」


おかしい…


さっき侍女に聞いたら
もうここで待ってると言ってたのに


何かを感じた雪乃は
急いで着替えようとドレスに手をかけた時


!!??


「んっ!?」


突然布の様なもので
口と鼻を覆われる


なに?!

必死に抵抗しようにも
次第に鼻の奥と舌がしびれて

呼吸が苦しくなってくる


そして
ゆっくりと手足の感覚も消えていった


ヤバい!!

なんとかして逃げなきゃ…

動かない体を必死で動かして
最後まで抵抗を続ける雪乃


「大人しくしろっ!!」

男の声とともに
ガツンっと頭に衝撃が走り

雪乃は
意識が遠くなる


た…すけて…




雪乃は意識を手放した
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