AZZURRO
これが
ジャンの使う『影の物』である

特殊訓練をされた
ジャンだけに従う暗躍部隊


その存在を知るのは
クリスとポール、ゴルチェのみだ


その耳打ちを聞いて
ジャンの表情が一変した

「ケシャが発見された!」

「「え!」」


すぐさま三人は
教えられた場所へ向かう



そこは
城内の古い倉庫の一角だった


既に何人かの私兵が
その周りを取り囲み
ケシャを救出していた


「ケシャ、わかるか?」


シャンの問いかけに
ケシャはゆっくりと目を開ける

その様子に一同は安堵の息をこぼした


「何があった?
ユキノ様は一緒ではないのか?」


「あ…う…。」


問いかけに帰って来たのは
言葉にならない声

そして
わずかながらに
手足が痙攣している


「しびれ薬か…!!」

シャンの悔しそうな声に
そこにいた兵士たちは痛々しく
ケシャを見つめた

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