AZZURRO
「クリス様
その手は離してはなりません!」


スバルはすぐに
跪き祈りの言霊を紡ぐ



「反対魔法など今更効くか!

さあぁ、娘よ
この世から消えてなくなれ…!!」



アマリエスが手を掲げると
ますます
竜巻が大きくなった

ズルッと雪乃の体が巻き込まれる


「うああぁぁっぁ!!!」


「ユキノッ!
ユキノ!どこにも行くな!!」


クリスが必死で雪乃の脇に腕を入れ
引きずり出そうとしたとき
その腕にもう一本腕が重なった


驚き見ると

そこにはジャンの姿があった


「お前…。」

「…昔からの力自慢が情けないですね?」

フッとほほ笑んだジャンに
クリスは鼻で返すと


一気に
雪乃をひっぱり出した



ドサッ!!


そして
雪乃はクリスの胸の中に飛び込む


「な、なに?!

くそっ!
くそっ!」


竜巻はその衝動で消え去り
混乱したアマリエスのすきを突いて
スバルはアマリエスに結界を張った
< 309 / 319 >

この作品をシェア

pagetop