AZZURRO
「…後悔しているか?」

私の傍に残ると決めた事を
後悔しているのか…


もしそうだとしても

私はもう
ユキノを一生手放すつもりはない



「…いいえ。
後悔なんてするはずありません。」


「本当に?
もう
二度と元の世界には戻れないかもしれないんだぞ?」



「はい。
覚悟しています。」


「…この世界に…
私の傍に残るという事は…」


「…考えたわけじゃないんです。

でもあの時
この世界から消えてしまうと思った時

クリス様の…
クリス様の傍にいたいと…
その手を求めてしまいました。」


「ユキノ…。」


ユキノの瞳にうっすらと涙が溜まる


「クリス様はこの国の皇子。
いずれはご正妃を迎えられ
皇太子になり
ゆくゆくは皇帝になるお方…。

私の様な一般市民がずっと傍にいることなど
かなうはずもない…。

それでも…
ご正妃を迎えられるその日まで
どんな形でもいい
どうか…傍に…居させてください。」


一筋
雪乃の頬を涙が伝った

クリスはその体を引き寄せ
しっかりと震える細い肩を抱いた
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