AZZURRO
宮に着くと
庭には先ほどの少女が
両手を後ろ手縛られ座っていた


パラソルの下
長椅子に優雅に腰かけたクリス

その横に
雪乃も座る


「さて
少女よ名は?」

クリスの声に
少女の肩が震えた

「ケシャと申します。」

「歳は?」

「17歳です。」

雪乃は驚いた
少女はもっと年下だと思っていた

小柄な体にこけた頬
顔色は悪く
膝は白く粉が吹いている


「ケシャ…なぜあのような事をした?
窃盗は縛り首が斬首だと知っているだろう。」


縛り首…斬首…!?

現代の日本では考えられないような言葉に
雪乃は驚愕した

ただ盗んだだけなのに…
極刑って…


そして
恐怖がジワリとにじむ
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