AZZURRO
その夜

雪乃はクリスの腕と翼に包まれたまま

深い眠りに就いた


それは
至極幸せな気持ちで


生まれて初めて

…明日も目覚めたい


と思えた






明け方
気持ち良さそうに寝息を立てる
雪乃の額に

クリスは
そっと口づける


「アルヴェスの神々よ
どうかこの娘に…加護を…。

全ての苦しみを祓い
安らかなる日々を…。」


クリスが囁くと

クリスと雪乃を中心に
風の波紋が生まれる

風は淡く輝き
雪乃の体に吸い込まれて消えていった…
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