AZZURRO
「まぁ
それほどの娘なら…
放ってはおけないのも無理はない。」


皇帝が納得したように頷いたとき
謁見の間に

美しい女性の声が響いた

「なにを楽しげに話しているのですか?」

カーテンの奥から
腰まで伸ばした銀髪の眩しい
女性が入ってきた

女性の肩からも純白の翼が生え
瞳は深い藍色だった


「皇后…。」

「皇后陛下。
お久しぶりにございます。」

アルヴェス帝国皇帝の妻
皇后のミラ・アレトシナは

皇帝の隣に腰を落とした

「久しいわね…クリス。
元気そうでなによりです。」


嬉しそうに目を細める
その姿は
どこかクリスに似ている

雪乃は思わず見とれてしまった
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