AZZURRO
「妃どころか
側室も作らないので心配していたのです。

でも
こんなに
かわいらしい姫君がいるなら安心ですね。」



皇后は
立ちあがると

ユキノの前に立った


「ユキノ…面をあげなさい。」

降ってきたのは
柔らかい声

雪乃はゆっくり顔を上げた

美しい顔が優しく微笑む

「慣れない事もあるかと思いますが
…何かあれば、いつでも私やクリスを頼りなさい。」

そして
皇后は雪乃の頭をなでた



…どうして

ここまで優しくしてくれるの…?


皇后様からしたら私なんてただの平民なのに…


「…皇后さま…。」




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