AZZURRO
ポールは慌てて跪く

「気にせずともよい。
ポールなおれ。」


「は。」

クリスの言葉にポールは
体勢を戻す


「さて…ユキノ…。
今度は何をしてポールを困らせているのだ?」

どこか楽しげなクリスの表情に
雪乃は頬が熱くなるのを感じた


その言い方じゃ
いつも私が皆を困らせてるみたいじゃない…

確かに雪乃は普通の姫ならしない
洗濯や掃除
調理の手伝い…火起こしなど

ケシャや使用人の手伝いを率先して行い

つい最近は
ゴルチェに剣術や武術を習いたいと申し込んでいた


どれも
自分の世界では当たり前のことで
武術や剣術は運動や護身もかねていたのだが


周りには側室という
高い身分をもつ姫だと思われていたので

使用人たちを驚かせていた
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