AZZURRO
「どうでもいいわけがあるか!!

売り飛ばされてもよかったのか?
見世物にされてもよかったのか?
生贄として
殺されたかもしれないんだぞ!?」

力強い瞳に
怒っているような低い声

クリスの言葉に
雪乃は抑えていた恐怖が
一気に噴き出し

瞼には涙が溜まる



「もっと…

もっと…自分を大切にしろ。

自分のために…
ユキノを大切に思う人々のために…

そして…
私のために…。」


ユキノを抱きしめるクリスの腕は
微かに震えていた
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