AZZURRO
雪乃は

混乱する頭を抱えたまま


意識を手放した




「ユキノ…。」


クリスは
グッタリともたれる雪乃を
抱き締め直し

涙でぬれた頬にそっと口ずけた


どうか
伝わってくれ…


お前を思う人々の気持ち…


自分の命の重さ…




グルルル…

「発見が早かったのはお前の手柄だな。
良くユキノを守ってくれた。」

静かに寄り添うマリモの頭をなでて
クリスはユキノを抱いたまま
宮殿に入って行った


< 95 / 319 >

この作品をシェア

pagetop