AZZURRO
「なんにしろ
今回の様な事は二度と起こってはならない。

特に今はアレクサ帝国と
火種がくすぶっている状態…

今のうちに内部問題は解決せねば。」


「その事ですが…
どうもタイミングが良すぎると思いませんか?」

「何?」

ジャンは考えるように言葉を紡ぐ

「クリス様がこの時期にカイルに帰国するのは慣例。
その時期に
アレクサ帝国との関係の悪化
そして
ユキノ様誘拐事件…。

偶然にしては、タイミングがそろいすぎです。」



クリスは深く頷いた

「…じらべて見る価値はありそうだな。

ジャンは引き続きその線で調べてくれ。
ポールとゴルチェは警備の強化と
毎日のユキノの護衛

ケシャは侍女たちに目を配り
ユキノを一人にはするな。」


「「「御意!」」」


側近たちが下がった後
クリスは一人夜空を見上げた


「…嫌な風が吹いてるな…。」


そして
夜は更けていく…
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