差別
（これは、困った事になってきた。僕は最後まで残るのかな。）
さすがの悠太も少々不安になってきた時、悠太の腕をグイッと掴かまれた。熊坂先生が悠太の腕をつかんで睨みつけている。
（シッカリ歩きなさい！！）
そう言って悠太を列に戻すと、背中を強く押してきた、悠太は思わず前にツンノメリそうになり、危うく床に転げ落ちるところだった。
　そのあとも熊坂先生は、悠太の後ろから背中をツンツン突付いた。あれから随分時間がたっている、運動場で遊んでいた子供達の声も聞こえなくなってしまった。
「あなたは、もういいわ。早く帰んなさい。」
「あなたも、いいわ。」
随分時間が経ってから、また子供を次々に列から抜き出したので、悠太もやっと帰る事ができると思ったが、悠太には無かった。
　もう残っているのは、悠太を入れて３人しか教室には残っていない、熊坂先生はその内の一人に声をかけた。
「あなた、随分反省したようね、もう帰っていいわ。」
とうとう残ったのは、悠太ともう一人は女の子だけになってしまった。悠太の心は途方にくれていた、何で自分がこんな目に合わされるんだろうか、理由がわからなかった。
（とうとう最後まで残ってしまった、いつまで歩かされるのだろう。）
　悠太の思いも熊坂先生には届かなく、無情にも残っている二人を同時に許される事は無かった。
先に声を掛けられたのは女の子の方だった、熊坂先生はとんでもない事を話し出した。
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表紙・目次

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