*片翼の天使*
式が終わり、教室に戻ると……。
すごい人だかりが出来ていた。
女の子たちが、ハルトの机を囲んで、とても楽しそうに雑談している。
「キャァ~!」
女の子たちの黄色い悲鳴が鳴り止まない。
ハルトは、はにかんだような王子スマイル。
王子サマと女の子たちの、盛り上りはMAXだ。
「……隣でうるせ~なぁ」
もうハルトの、あだ名は王子で決定な。
勝手にそう決めたあたしは、心の中で呟いた。
ってか、なんで王子隣なんだよ。
迷惑な。
「あっ! いたいた!
ナッズナ~!
2組なんねぇ~私、3組。隣だねぇ。
残念。同じクラスが良かったなぁ」
トモカが、あたしの席にやって来た。
「トモカ、あたしとクラス変われ!
ここ、うるさくて昼寝も出来ねぇ! 」
あたしは、隣がうるさくて、イライラしていた。