*片翼の天使*
あたし達は、城の入口まで来た。
建物の中に入ると、甘ったるい匂いが漂っていた。
「よし! 行くぞ! 」
あたしは、張り切って歩いて行く。
「うわぁ、すげぇ」
中はメルヘンチックな小さいお店がたくさん列んでいる。
めっちゃ可愛い~!しかも、どのお菓子も凄く美味しそう!
あたしは、まず始めにシュークリーム屋さんに入り、シュークリームを1つずつ買おうとした。
「すいません。クッキーシュークリーム2つください」
あたしがお金を出そうとしたら、王子が、
「今日は、いいよ!全部おごってあげる」
と、言って、財布を出した。
「マジで? いいのか? 」
少し悪い気がする……けど、本人がいいって言ってるし……。
「気にしなくていいよ。
今日は、御礼なんだし」
王子が、笑う。
だから、今日はお言葉に甘えることにした。
「ありがと」
太っ腹だな。すっげぇ、助かるわ!
「いいえ」
王子がシュークリームを受け取り、あたしにくれた。
「このシュー生地、クッキーみたいで、美味しいな!」
美味くて、甘いもの好きのあたしは、自然と笑みがこぼれる。
「……? 」
なんか周りの視線が気になるような……気のせいか。
「それは、良かった!」
王子は、笑った。
次、なに食べよっかなぁ?
今日は、食べまくるって決めてたからな!
あたしは、次に食べるものを考えていた。