*片翼の天使*
あたし達は、シュークリームに始まり……プリン、アイス、クレープ、クッキー、パフェ、あんみつ、お団子、チョコレート、芋ようかん、パンナコッタ、杏仁豆腐、ヨーグルト、ケーキ……と甘いものばかり食べ続けていた。
ここまで、あたしに付き合って全部食べていた王子が、心なしかげっそりしているような気がする。
……気のせいか?
「次、鯛焼きかな」
「凄い……まだ、食べるの? 」
「あっ、わりぃ。奢らせすぎたか? 」
やっぱ、悪いよな。鯛焼きは、自腹で食べよう。
「いや、そういうんじゃなくて……俺、もう甘いの食えないから、ナズちゃんのだけ買ってくるよ」
そう言って鯛焼きを買いに行った王子。だけど、味があるから、あたしも後からついて行った。
「クリームと、あんこと、チョコ下さい」
あたしが頼むと……
「まいど。
今キャンペーン中でね、素敵なカップルの2人に、新作のブルーベリーチーズもオマケにつけるよ」
「……よしっ」
王子が一人でガッツポーズをしている。そんなにオマケが嬉しいのか?
ってか、カップルって……違うんだけど、まぁいっか。1個オマケしてくれんならな。
「ありがとうございます」
そう言って、鯛焼き4個を受け取る。
「……一人で、4個も大丈夫? 」
「あっ、王子も食いたいんか? 1つやるよ」
「いい! いい! 」
王子は即答した。
「なんだ。絶対、美味いのにぃ」