*片翼の天使*
その日の授業中、ナズちゃんと少し喋ったが、いつもより元気がない気がした。
放課後部活が終わり、俺は、忘れ物をしたため教室に戻った。
「あっ! モモカちゃん、部活終わり? 」
「はい。ハルト様もですか? 」
「そうだよ! 」
俺は、机の中に忘れた携帯を取り出す。
「あの……数学の宿題プリント終わりました? 」
モモカちゃんが、聞いてきた。
「まだだよ」
「あの、この問題分かります? 」
モモカちゃんがプリントを持って、俺の近くに来る。
「あっ!
ごめん。俺もそこ分かんないや……あっ、ナズちゃんなら解けるんじゃない?
電話で聞いてみたら? 」
学年一位だし。
「えっと……ナズナは、ちょっと」
モモカちゃんは、言葉を濁らせた。
「なんで? 」
いつも一緒に居て、仲良しだったじゃん。
「……もしかして、朝の貼紙信じてるの? 」
「……」
モモカちゃんは、気まずそうに俯いた。
図星か……。