*片翼の天使*
「これに、見覚えあるんじゃないかしら? 」
トモカが出したのは、なにかのフロッピーディスクと、ビデオテープだった。
「なによそれ?
見覚えなんかないわ」
カナコは、強気だ。
その強気も、今のうちだけだろう。
「えっ……それ」
知的少女チアキが、目を見開いた。
「そう?
じゃあこれ、学校中に流しても構わないわね? 」
私はあんた達がどうなっても構わない。という意味を含めて言った。
通じたかどうかはわかんないけど。
「駄目ですわ」
チアキの顔が、真っ青だ。
「チアキ、どうしたって言うのよ? 」
カナコは、なにがなんだか、分かってないようだ。
「あれ、間違いない!
ナズナさんの偽造貼紙を作ったときのデータディスクです。処分したはずなのに……どうして? 」
「えっ?
嘘……」
カナコも血相を変えた。
「やっと分かったぁ?
これ、どうしよっかなぁ~? 」
あたしは、ニヤニヤしている。脅してる時って快感よね。
「流さないでください!
そちらのビデオは、なんだかわかりませんが、お願いします」
チアキは、必死だ。
「ちなみにぃ~こっちのビデオは、ナズナの嫌がらせをやっている、貴方たちの姿が写ってるんだぁ」
カナコと、ユウ、チアキは、真っ青になった。