*片翼の天使*
あたしの部屋は2階にある。
曲がりくねった階段を上がって、すぐ右の部屋。物は少なくて、シンプルな部屋だ。
部屋に入った瞬間トモカが口を開いた。
「おばさん、まだ治らないの?
ってか、いつまでこんな生活続けるつもり? 」
トモカは、真剣な顔で、あたしをまっすぐ見つめてくる。
「……わからない」
あたしは、俯いた。
「自分を偽って辛くないの? 」
偽って……なんかない。あたしが決めたことだ。
「……あたしの責任だから……」
「あれは、事故だったのよ!
あなたが悪い訳じゃない!」
「でも……あたしを庇っ……もうこの話は終わりっ! 」
「……でも」
トモカは、納得いかない様子。
「でもじゃない!
そんな事言ってると家から追い出すぞ! 」
あたしは、思わず怒鳴っていた。