*片翼の天使*
「そう言えば、男子バスケ部すごいらしいよ~」
「アイリ、なにがすごいんだよ? 」
バスケか……。
「なんかね~男子バスケ部にハルト君が入ったんだって。
それで、男子バスケ部のマネージャーになりたいっていう女子がいっぱいいて、今度オーディションやるんだって~」
く……くだらねぇ~。
「へぇ~」
あたしは興味がなくなり、テキトーな返事を返した。
「バスケ部の練習中も、すごいらしいよ。
ハルト様ファンの女の子たちが、いつも応援してるって! 」
「ご苦労なこって」
あたしは携帯電話を取り出し、新着メールのチェックをした。
「そういえば……モモカ、バスケ部のマネージャーは立候補しないの? 」
アイリが尋ねた。
「ちょっとやりたい気もするけど、バレーもやりたいし。
今回は諦める。
けど、ハルト様ファンクラブにはもう入ったわよ! 」
ハルト様ファンクラブぅ?
なんだ、それ。
「まじで? なにすんの? 」
アイリが驚いた後、興味深々に聞いている。
「ハルト様の学校生活が快適になるように勤めたり、ハルト様のバスケの試合応援に行ったり、ハルト様のグッズ作ったり、ハルト様と、あわよくばお近づきになったり……」
モモカが、楽しそうに語り出した。
「うわぁ~すごいねぇ~ハルト様ファンクラブ」
アイリは、苦笑い。
よくやるなぁ…くだらね~。