*片翼の天使*
「ってかさ~ナズナとユウナは好きな人いるの? 」
アイリが、こっちに話しをふってきた。
アイリとモモカは、凄く楽しそうだ。
「いるわけね~じゃん」
「じゃあユウナは? 」
「えっ?
わたくしですか?
す……好きというか、気になる方はいますけれど……」
「「誰だれぇ? 」」
モモカとアイリが声を揃えて言った。
「いや、その……内緒です……」
「いいじゃ~ん。教えてよ! 」
「そうだよ!
減るもんじゃないし! 」
モモカとアイリが詰め寄る。
ユウナは、困って、あたしのほうを向いた。
そして、うるうるした子犬のような目で訴えてくる。
……そんな目で見るなよ!
わかったよ。
助けりゃいいんだろ。
仕方ないなぁ。
「モモカ、アイリ、その辺にしとけよ」
あたしは、2人を止め、ユウナに助け舟を出した。
「えぇ~? つまんなぁい! 」
モモカが残念そうに言うから、あたしがギッと睨んだ。
はぁ。めんどくせぇ。
ほんと女って無駄に恋バナ好きだよなぁ。