*片翼の天使*
「なんだ? あのキザなやつは?
お前は、どこぞの王子様かっ? 」
思ってたことを、口に出して言ってみた。
「アハハッ!
ナズナ、言い過ぎだって!
でも、かっこいいじゃん~トモカは、タイプじゃないけどぉ~」
トモカも、大笑い。
「アイツが、かっこいい?」
ん~顔は整ってる気がするけど、イマイチじゃね?
まぁ、男に興味ないあたしからしたら、イケメンでも不細工でもどっちでも同じに見えるんだけど。
「相変わらず、ナズナは男に興味ないねぇ~」
トモカが、苦笑する。
「別にいいだろ~死にはしないし。
それよりさっきからなんかいい匂いしね~? 」
これは……揚げ物の匂いか?
「ああ!
学校の前にある肉屋さんのコロッケの匂いじゃない? 」
コ……コロッケ!!
「まじ? そんじゃ買いに行かね~と! 」
あたしは、肉屋まで全速力で走った。
「ちょっ!
ちょっと~式始まっちゃうわよって全然聞いてないな。
まったく……色気より食い気かっ! 」
トモカが、何か言っていたようだが、聞きとることはできなかった。