*片翼の天使*
そこへ、裕先生と女子バスケの監督がやってきた。
コーチは、背が高くひょろっとした20代後半の男だった。
あたしを見つけた裕先生が、
「木崎!
今日は、休みなのに、すまなかったな!
よろしく頼むぞ! 」
と、元気に言った。
相変わらず熱い奴……。
次にコーチが、あたしを見て声をかけた。
「君がナズナさんかい?
今日は、よろしく頼むよ!
ところで、バスケの経験は? 」
コーチって若けぇのな。
「中学のとき、バスケ部でした」
「そうかい!
まぁ、そんなに緊張しなくて大丈夫だからね。
肩の力を抜いてやってくれ!
うちの部員がフォローするからさ」
フォローなんていらねーし。
「はい! これ、ユニフォーム! 」
カナミ先輩がユニフォームを持ってきてくれた。
「ありがとうございます」
試合が始まる前、あたしは軽くウォーミングアップした。
久しぶりだからな、ちゃんとやっとかないと……。