*片翼の天使*
2nd開始。
波に乗った国際華亜羅高校は、そのまま得点をのばしていった。
突き放される、聖蘭高校。
カリンが、シュートを決めようとして、ボールを奪われたりと、もうボロボロだ。
2ndも終わり、得点は開く一方……。
あたしは、ぼ~っとベンチに座っていた。
大丈夫か?
負けんじゃね?
聖蘭高校21点
国際華亜羅高校49点
2nd終了。
ハーフタイムで選手達が水分補給をしている。
「まずい……!
このままじゃ負ける!」
ミカ先輩が悔しそうな表情をしていた。
「はぁはぁ……私、もうダメかも……」
カリンが言う。
このチームで唯一、1年生のカリンは、初のメンバー入りだから、精神的にも体力的にもきているのだろう。
「カリン、大丈夫?」
カナミ先輩が心配そうな顔をしている。
「仕方ない……メンバーチェンジだ。
カリンとナズナ交代」
監督がそう判断した。
「ナズナちゃん、よろしくね! 」
カオリ先輩が笑った。
「はい! 」
「とりあえず、臨機応変に動いてくれればいいから!
後は、こちらでフォローする!
下手なことはするな」
むかっ……顔の表情は変えずに、あたしは必死に堪えた。
「はい! 」
フォローなんて必要ねぇし。
まぁ、やりたいようにやらせていただきますか!
点差が開けば開くほど、あたしは、燃えるのだった。