*片翼の天使*

あたしのクラスは1年2組。下駄箱のクラスのメンバー表で確認した。
2組の教室を探し歩く。
2階にあるはずなんだけど、迷路みたいな校舎で迷ってしまったようだ。

「それでは、式は、体育館で行われる。速やかに移動するように」


……ガラガラ


「おはよ~ございます」


やっと見つけた教室の扉をあたしは勢いよく開けた。
手には、コロッケの袋がぶら下がっている。


「おい! 初日から遅刻だぞっ!
今、何時だと思ってるんだ! 」


少し頭の薄い年配の先生が、怒鳴る。
まるで鬼の形相……ではなかった。
残念ながら、顔が優しげなだけに、怒ってもあまり迫力がない。


「すいません。教室が、分からなくて」


これも事実。
半分は、コロッケ買い行ってて、遅れただけだけど、先生には口が避けても言えない。

< 8 / 196 >

この作品をシェア

pagetop