*片翼の天使*
試合が終わって、両チームが挨拶をした。
「「ありがとうございました! 」」
挨拶の後、国際華亜羅高校の部長があたしのところにやってきた。
チトセと呼ばれる部長さんは、背が高く、ほっそりしていて美人だった。
「いい試合だったわ!
すごく悔しいけど、楽しかった。
ありがとう!
貴方、見ない顔だけど、1年生? 」
「はい」
「これからが楽しみね。お名前は?」
「木崎ナズナです」
「私は、華亜羅高校バスケ部部長の高崎チトセよ!
これからも頑張ってね!
絶対勝ち残って」
「あっ……はい」
あたし助っ人なんだけどなぁ……。
チトセさんは、そのあとカナミ先輩や、ミカ先輩に挨拶をし、帰って行った。
「ナズナ~! 」
ミカ先輩が、あたしを呼ぶ。
「なんですか? 」
「お前スゴいんだなぁ!
朝は悪かった」
「いえ。別にいいですよ。
あたしも、やりたいようにやらせて貰いましたから」
「サンキューな!
ってかお前めっちゃフォーム綺麗だな!
お前、バスケ部入れよ! 」
「……いや」
「そうね!
入ってくれないかしら?
うち弱小で、人数も少なくて困ってるの……」
カナミ先輩にもお願いされる。
「あの……だから」
「そうだよ!
一緒にやろうよ! 」
カリンが言った。
「だ~か~ら!
あたしには、バイトがあるんです! 」
あたしは、きっぱり断った。
しかし、ミカ先輩は納得してないらしく、
「もったいない!
あんな上手いのに!
それに、めっちゃ楽しそうだったし!
うちらの連携もバッチリだったじゃん! 」
と、言った。
「……でも、バイトは辞められません」