冬の足跡
「ま、ま、まままま真琴!?!?」
あせって喋った私に、真琴はクスッと笑う。
「今、"ま"って6回言った♪」
「………」
私は自分の失敗が恥ずかしすぎて、真っ白な地面へと視線を移す。
「ごめん、ごめん。」
そんな私を見てなのか、また真琴はクスッと笑って、そう言った。
「…一緒に帰ろっか?俺も1人なのよ。」
また、私はびっくりする。

………今日だけで、私は何回びっくりしたんだろう。
「ぇ、いいの?」
「うん。迷惑?」
「う、ううん。すごい、嬉しい。」
真っ白な雪が、私を素直にしてくれたのかもしれない。
"じゃ、帰ろっか"と言った真琴に、私はコクンと頷く。

真琴の隣を歩くのが恥ずかしくて、少し、後ろを歩いた。


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