冬の足跡
ガラガラ。

教室の扉をあけるとともに、視界に入ってくる親友の姿。

「燐!おはよっ!」
燐はすぐにこっちに気付いて、にこっと笑う。
「冬実、おはよー!」
教室は、外とは打って変わって暖かかった。
「教室ぬっくいねぇ~!」
私は自分の席へ向かいながら、そう言った。
「でも、冬が好きな冬実にとっては、どうでもいい事とか?」
私はにこっと笑い返して、
「それは別。」
と言った。

私の席は列の真ん中あたりの窓側。
窓側だって分かったときは、すごく嬉しかったな。
隣の席の人は、柊 真琴とゆう人。

…2週間近く、席は変わっていないのに、喋ったことは一度もない。

今日も気まずい空気が流れる。
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