龍輝

学校



用意していた荷物を肩にかけ、靴を履き玄関のドアを開ける。

外に一歩出ると夏独特の蒸し暑い風が私を包み込む。
少し歩くだけで、ジワジワと汗が出てくる。

やっぱり送ってもらった方がよかったかな?
すんごい暑い。

でも、送ってもらったら兄貴たちのバイク目立つんだよね。
目立つの嫌い。
只でさえ不登校で目立ってるのに…


焼けたくないから出来るだけ陰を通るようにしながら歩いていく。



横を通りすぎる車や、バイク。
暑すぎてフラフラ歩いてる私を避けながら走り去って行く。


そのうちの一台のバイクが横に止まる。
見たことのないバイク。

「送ってくよ。」

甘く優しい声が聞こえてくる。
ヘルメットを外しながら言ってきたその人は、あんまりにも、昼の風景が似合わない。

「由貴さん…大丈夫。」

なんて、口でわ言うけど本当は、乗せてもらいたい気持ちでいっぱいだったけど……
会ったばっかりだし、良いイメージがないしな。
私の部屋に勝手に入ってくるしね。

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