気付いたら、悪魔の腕の中。
「もう・・・帰ろう」
泣き疲れたあたしはかばんを手にとり、教室から出た。
もうすぐ18時になる。
夕日が沈みかけ、暗闇が訪れ始める。
「あれ?」
下駄箱に向かい、ローファーを取り出そうとすると一枚の紙に気付いた。
「また、か」
そこには・・・『泣いてた?』とだけ書かれている。
時々こうした紙切れが入ってるんだ。
もちろん差出人は不明。
ストーカーと疑ったこともあったけど、別に跡をつけられてる気配もないし。
ただのイタズラかなって思ってたんだけど・・・
いつもタイミングがいいんだよね・・・。
決まって、ゆうちゃんのことで泣いてたり元気がないと入ってるんだ。
実はちょっとだけこの紙切れが嬉しかったりする。