気付いたら、悪魔の腕の中。
仕方なく窓に目を向けていると、
「美村っていつもこの時間なの?」
まさかの結城くんから話しかけられるという事態に陥った。
「え、いや、今日はたまたまだよ」
「そうなんだ。俺もたまたま」
黒髪で2ブロックのお洒落ヘアー。
茶縁のメガネが好印象だ。
「なぁ・・・」
「うん?」
初めてまともに会話したなあ、と思っていると
メガネの奥に潜んだ猫目がこちらを向いていた。
「美村と神宮寺って幼なじみってほんと?」
なんとなくそれを聞かれるんじゃないかって思ってたから大して驚くことはなかった。