気付いたら、悪魔の腕の中。



 「・・・もしもし」


 あたしは動揺していたせいかディスプレイを確認せず電話にでた。




 〔あ・・・環?〕



 へ?だ、誰?男の人の声があたしを呼んだ。
 だけど、あたしを呼び捨てにするような男の子はいないわけで・・・




 〔・・・慶だけど〕



 「慶・・・って結城くん!?」



 メールが来たときと同じ反応をしてしまった、あたし。


 その瞬間、隣でゆうちゃんがピクッと動いたのがわかった。




 「ちょ・・・急に何?てか、で、電話あとでかけ直していい?」




 〔なに、今忙しいの?〕



 「え・・・う、うん、まあ」




 やんわり断ろうとしていたとき、急に携帯が手元からなくなった。



 あれ???




 
< 34 / 89 >

この作品をシェア

pagetop