気付いたら、悪魔の腕の中。



 隣に目を向けている、電源ボタンを押しているゆうちゃん。



 「ゆ、ゆうちゃん!」



 「お前・・・結城と関わってんのか?」







 ここで言えっていうの?
 だ、ダメ。結城くんはゆうちゃんに何か復讐するに違いない。

 それを食い止めるのが、今のあたしがゆうちゃんのために出来ること。




 だからバレちゃダメだ。





 「・・・神宮寺くんには関係ない」




 ゆうちゃんがあたしに言うみたいな冷たい言葉。
 さっきまで温かかった空気が凍りつく。


 こんな言葉ゆうちゃんはいつも言っていたの・・・?
 あたしには胸が苦しくて、二度と使えないよ・・・




 「・・・俺に反抗すんなよ。お前は俺の言うことさえ聞いてればいいんだよ」




 その言葉と同時に大きな胸に抱きすくめられる。

 痛いくらいの強さでゆうちゃんは、あたしを締め付けた。



 「いった・・・」



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