気付いたら、悪魔の腕の中。
その傲慢な言葉すら、今のあたしには嬉しくて。
だって、こうやってゆうちゃんがあたしに感情を示してくれたことなんてなかった。
ほんとにどうしちゃったの・・・?
「ゆ、ゆうちゃん・・・」
だけど、ゆうちゃんがあたしに言った言葉はあたしを地獄へ落とした。
「・・・わりい。好きなやつのこと思い出してたわ」
それだけ言って、ゆうちゃんは自分の家に入った。
「はは、それ・・・あたしじゃないじゃん」
まるであたしを求めるみたいに抱きしめてきたのは、その好きな人を想ってたから?
なにそれなにそれなにそれなにそれ。
どんだけあたしを振り回せば気が済むのよ。
その日、あたしは買ってきた大好きなプリンのことも忘れて泣きとおした。
それと、もう一つ大事なことも忘れて。