気付いたら、悪魔の腕の中。




 雫の願いどおり、タマに優しくしてあげたい自分と、


 何も知らず俺の言うとおりにするタマに意地悪したくなる自分と、



 俺は矛盾した感情に悩まされていた。


 タマのことなんか好きじゃないはずなのに、時々独占したくなる。俺の中に閉じこめたくなる。…雫と重ねてるだけだよ、な?



 傷つけたくない、と思ってるはずなのに、バレバレなタマの気持ちを壊してやりたくなる。




 タマ…俺は…ほんとは、お前が嫌いなんじゃねえよ。それだけは、分かってほしい。

 たまに紙切れにメッセージを残す。せめてもの償い。

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