気付いたら、悪魔の腕の中。


 優しくできなくて、ごめん。



 俺は、雫が忘れられない。






 「悠詩」


 柔らかく俺の名前を彼女が呼んだ。…二宮いちか、今の俺の彼女。



 「こんなとこにいたんだね」


 「…ああ。ちょっとな」





 放課後。珍しく部活をサボった。今日、タマと結城が付き合うと言っていたことを思い出した。

 結城は、俺を恨んでるんだよな。その復讐のために、タマを…。




 俺はどうしたらいい?


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