気付いたら、悪魔の腕の中。


 「神宮寺は、神宮寺は…!」


 珍しく潤ちゃんが、ハッキリと言わない。いつもハッキリと者を言うのに。



 「…神宮寺は、苦しんでる」

 ゆうちゃんが…苦しんでる?

 「あいつを救えるのは…環しかいないんだよ…」





 ねぇ、潤ちゃん…。
 もしかしてだけど、潤ちゃん…ゆうちゃんのことが…。

 じゃなきゃ…男子より男前な潤ちゃんが、泣いたりしないよ、ね?



 あたしは、ただ頷いた。

 なんで、あたしも潤ちゃんも…ゆうちゃんなんだろう?

< 62 / 89 >

この作品をシェア

pagetop