気付いたら、悪魔の腕の中。











 「俺とちゃんと付き合わない?フられた者同士、傷を癒やしあう。実に合理的だと思わない?」







 あたしは相当マヌケな顔をしていたと思う。


 結城慶という人間、いや悪魔は何を考えてるかわからない。




 一瞬ふわりとシトラスの香りが鼻を掠めた。


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