気付いたら、悪魔の腕の中。





 あたしはそれを聞いた瞬間、持っていたかばんを落とした。

 それに誰かが気づいて、あたしは逃げようとしたけど捕まったんだ。






 ____…たま。聞いてたのか…?





 あの日、小さい子どもみたいに意地悪ばかりするゆうちゃんが…大人に見えた。

 何より、あたしの初恋が打ち砕かれた瞬間だった。






 あたしはずーっと全てを閉じ込めて、お姉ちゃんの死と同時にそれを手離した。

 皮肉にもゆうちゃんへの想いを残して。



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