気付いたら、悪魔の腕の中。
「・・・!?!?!?」
はっきりした意識。
目の前には複雑な表情を浮かべる、あたしの愛しい人。
嘘でしょ。
忘れようと必死に生きてた日々がバカみたい。
こんなにも、あたしの心臓はゆうちゃんが好きだと主張してくる。
「たま、お前ムカつくんだよ」
「は?」
喜んだのも束の間。
「現実」があたしを襲う。
そうだ、ゆうちゃんは決してあたしを好きじゃない。好きには、ならない。
今でもお姉ちゃんを・・・
「お前、なんなの・・・」
「ゆ、う・・・」
噛むような乱暴なキスであたしの言葉は遮られた。