気付いたら、悪魔の腕の中。



 「それは・・・ごめ・・・なさい」


 イタイ。

 もう分かったから。分かったから。

 もう、あたしを楽にして。解放して。





 「俺は・・・雫が好きで、辛くて、死にたくなってんのに、お前は・・・!」



 あたしの肩を掴む手にギリギリと力が込められる。








 「お前は・・・こんな俺を、俺のことを






 なんで好きでいられる・・・?」









 びっくりした。
 
 そんなこと問われるなんて思いもよらなかった。



 
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