気付いたら、悪魔の腕の中。
「早く、俺のこと嫌いになれよ…」
そう言ってあたしの首筋に噛みついた。
「ゆうちゃん…ごめん。嫌いになんてなれないよ」
あたしは本心を伝えた。だってそうでしょ?どんなにヒドいこと言われても、どんなに冷たくされても、ゆうちゃんを嫌いになることなんてありえない。これだけは自信を持って言える。
「…バカだよ、お前」
儚げに笑うゆうちゃんが愛しくて、また涙がこぼれた。
「…お姉ちゃんを好きなままでいい。だから、ちょっとだけそばにいて」