アネモネ
「それでさー‥って満!聞いてる?」
「んー‥ああ、うん」
「どこ見てんのよ」
「未来。」
「よし、逝け」
「ちょ、変換変換!」
ふん、と鼻を鳴らして満が見てた方を見る。
‥満のぼやーとしていた理由が分かった。
「海さんだ」
満の彼氏、相沢 海さん。
「‥っ!//」
「満ったら可愛い〜っ」
「う、うるさい‥!」
「行っておいで〜」
そう言って満の背中を叩くと、余程焦っていて抵抗出来なかったのか、満はそのまま全身で海さんにぶつかった。
ドン、ッ
「いってえ‥」
「(怖っ!)」
眉間に皺を寄せながら怠そうに振り返った
海さんはヤクザみたいだった。
「ご、ごめんっ」
「なーんだ、満か。怪我ない?」
「だ、大丈夫!」
「どしたの?」
「えっと、‥紫音とふざけてた」
「ははっ!そっかそっか」
頭を撫でられる満を見て、また羨望の気持ちが滲み出る。
「(‥羨ましい、な)」
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