アネモネ
(彰SIDE)
「お前が、なんで俺と紫音の二人のあり方を決める…?」
呆れたような、諦めたような、諭すようなへらっとした笑顔は、きっと海の目にはとてつもなく力が無く、消えそうなものに見えたと思う。
眉間にしわを寄せながら、ハの字に眉をさげるのは、頭ではわかってるのに相手を突き放そうと必死になるときの、
俺の癖だと、紫音が言っていた。
言われた時は全く意味が分からなくて、すぐに言われたことすらも忘れた。
なのに、今になって自分でも驚くほどに、湧き出るように、
紫音の言葉一つ一つが、一言一句漏れずに
頭の中に響いては消えて、
心の中に確実に、でも静かに、
シミを作っていくんだ…
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