声の王子様 ①



ああ、そうだ。鍵。


ふと足を止め、丁度いい
明かりを利用し、カバンの
外ポケットに空いた手を入れて探る。



「いるよ」



あったあった。


何も付いていない、家の鍵一本
手にして。



「あの子」



女性の後ろを通り過ぎた。


さっさとお風呂に入って
復習だ。


鍵を差し込み、回す。


カチャリ。軽い音がした。



「あの子って………高校生じゃない!」



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