声の王子様 ①



突然、大きな声が
したものだから、驚いた。


驚いて、顔を向ければ何故か
合う視線。


女性は大きな目を見開き
頭の天辺から爪先まで私を眺めると声を潜め、
正面を向き直った。


そしてここからでは
ドアに隠れて姿が見えない隣人に、声を潜め 「冗談でしょう」と。


急に機嫌が悪くなった様子で、綺麗な顔を歪めている。



「子供じゃない。それに、地味だし。下手な嘘はやめてよ」



………何。


何の話しだ。


私、巻き込まれている?



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