甘えんBoy
私はベッドに座る龍貴の前に立ち、見下ろす
「ほら、ドラマや映画みたいに爽やかに優しい龍貴君になってなんか言ってみてよ」
見下ろす私を一瞬見て、龍貴はまたふんっと笑った
「それなら…」
「それなら?」
「…恵梨?」
…ぐっ
ぜ、全っ然声のトーンが違うじゃない
こんな風に呼ばれたことなんか今までない
…な、なんか調子くるう
「…な、何よ」
「恵梨は本当に可愛いね?」
「は?!そ、そーゆーことは言わなくていいから!」
「なんで?思ったことを素直に言っちゃダメなの?」
龍貴はおもむろに立ちあがり、私と向かい合わせになった
私は160cm
龍貴は170cm
男子にしては少し小さいが、私とは目線が全く違う
「…そ、そーじゃなくて」
「ん?ちゃんと目線合わせて言ってよ」
龍貴はちょっとずつ私に近ずき、私は後ろに後ずさりしていく
「り、龍貴近くない?」
「だって恵梨の可愛い顔もっと見たいんだもん」
龍貴はダメ?と首を傾げて、俯く私の顔を覗き込む
…ち、近いっ!!!