甘えんBoy
街中から少し離れた場所にあるここは、すごく静かでゆったりとした時間が流れていた
あの都会のガヤガヤした音や、せかせかと動く人もいないので、すごく落ち着く
「…んで?何に悩んでんの?」
私は香織さんが煎れてくれたコーヒーを一口含んだ
ほんのりと苦みがあり、美味しい
「…いや、実はさ…今度またドラマが決まってさ」
「…ドラマ?」
ドラマなんてコイツ何本も出てるじゃない
「何を今さら悩んでんの?あんたこの前映画だって出てたじゃない」
「いや、ドラマって言っても…今までとは違うんだ」
龍貴はモンブランを突きながらため息をついた
こんなに弱気な龍貴、久しぶりに見た
いつもがあんな感じだから、なんかこっちまで調子が狂う
「何が?何が違うの?」
私はずかずかと質問して、龍貴を問い詰めた