甘えんBoy
…やっぱり
玄関にはあるはずのない男物のスニーカーがあった
また来たのか…
私はリビングのドアをおもいっきり開けた
「あ、恵梨お帰りなさい!」
「お、今日もお疲れサマンサってな!はっはっはっ」
お父さんとお母さんはいつも通り…
ただひとつ違うのは
「恵梨!ありがとうな!」
…コイツだ
「ありがとうな…じゃないでしょ!!!」
「なんだよ…。また怒ってんのか?」
龍貴は耳を塞ぎながら肩を竦めた
「もう慣れただろ?プレゼント受け取り係は」
「慣れるわけないでしょ!そもそもここは私の家だし!あんたん家は隣でしょーが!!」
「まあまあ…恵梨固いこと言うなって」
お父さんは読んでいた新聞から目を離し、怒る私に声をかけた
「もうおむつしてた時代から一緒なんだぞ?もう兄弟みたいなもんだろ?」
「そーよ!それに、こんなにイケメンで優しい子ならいつでも大歓迎よ~!」
お父さんもお母さんもすっかり龍貴のとりこ
「それに龍貴君の両親はまたLAに行くんだろ?一人じゃ大変だもんな?」
お父さんは龍貴の肩に手を乗せ、涙を拭う真似をした